ユメギワのラストボーイ
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F1 や Super GT なんかのモータースポーツ関連の話は書き始めたらキリがなくて、
話題に偏りが出てしまう気がしていたので、半年間、あえて書かなかった。
(雑に書き散らしているようだけど、実はそこそこバランスとか考えて書いているんだよ。)
で、一度書いたら案の定、3記事連続でクルマの話になってしまった。
まぁ、言い訳しながらも書くんだけどね。
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ここ数日、大変なニュースが3つ発表された。
・BMW、F1撤退
・M. シューマッハ、マッサの代役出場決定
・ルノー、ヨーロッパGP(バレンシア・アロンソのホームレース)、出場停止。
それぞれのテーマだけで安い雑誌でコラム書けそうなレベルのニュースだけども、
前回も触れたことだし、今日はシューマッハの話をしようと思う。
(撤退問題についてはまだ一悶着ありそうな気がしないでもない。特にルノー。)
シューマッハは、凄い。
7回の年間王者、通算91勝という記録はやっぱり凄い。アゴも凄い。
シューマッハ引退後、アロンソ(ルノー)→ライコネン(フェラーリ)→ハミルトン(マクラーレン)と、
ドライバーもチームも勝ち続けることが出来ないでいることからも、
シューマッハとフェラーリが 2000~2004年の5年間、勝ち続けたという驚異的な強さが分かると思う。
(まぁレギュレーションだの何だのの話もあるけどね。)
根本から話をしていこう。
現代F1 は、『チームがマシンを開発し、2人のドライバーを乗せる。』
だから、チームが速いマシンを作り、速いドライバーが乗れば、勝てる。
逆に、マシンが良くてもドライバーがダメだったり、ドライバーが良くてもマシンがダメなら、勝てない。
例えば、BMWザウバーの R.クビサ は去年かなりの速さを見せたが (実際 彼はかなり上手い)、
開発に失敗した今年のBMWのマシンでは、全く良い所が無い。(しかもチームは撤退…)
じゃあ、そもそも、どうやったら良いマシンに乗れるのか?
一番分かりやすい方法は、自分の腕を見せ付けて、名門のビッグチームに移籍することだ。
名門のフェラーリやマクラーレンは、やっぱり安定して良いマシンを作る。
(現に今年もこの2チームは確実に成長してきているし、チーム戦略も上手い。)
そしてその名門で、更に力をつけてチャンピオンを目指していく。
『マシンがドライバーを育てる』訳だ。
この時点で、実力の無いドライバーは容赦なく淘汰される。
では、それが出来ない場合、もしくはチームが低迷していたらどうするか?
『自分がチームを作る』 ことになる。
(アグリさんやプロスト、フィッティパルディみたいに、オーナーになるという意味ではなく)
チームがマシンを作るには、もちろんテスト走行がある。
レースで走るのはドライバー本人であるから、
ドライバーとメカニックの間であーだこーだ言いながらマシンを成熟させていく。
だから、実力が無かったり、頭が悪いドライバーはマシンの開発能力が無い。
(いいマシンに乗れない → 勝てない → いいチームに移籍も出来ない → クビ)
このマシンの開発能力というのが非常に大事。
『ドライバーがマシンを育てる』ということになる。
この点で特に秀でていたのが、M.シューマッハだ。(やっと本題)
まぁ彼はもちろん、
レースで速いしミスがないターミネーターでアゴが出てるから勝てたんだけど、
その 『速いマシンを作るチームを作る』 ことも上手かった。
実はシューマッハが乗る以前(~95年)のフェラーリは、名門といわれながらもかなり低迷していた。
そんなフェラーリに移籍する際、シューマッハが出した条件が、
「俺のお気に入りのスタッフも、フェラーリに入れろ」 だった。
そんな訳で当時在籍していたベネトン(現ルノー)から2人の優秀なスタッフ、
ロス・ブラウン(テクニカルディレクター)とロリー・バーン(マシンデザイナー)を引き連れて、
フェラーリに移籍、総監督のジャン・トッドとともに、見事にフェラーリを再建、
怒涛の強さを発揮していくことになる。
(ロス・ブラウンはもちろん、現ブラウンGPのオーナーね。)
自分の周りを固め、自分に適した環境・チームを作る能力、
そしてもちろん、それが認められる程の実力・将来性を、シューマッハを持っていた。
もう一つ、少し加えると、チームメイトには最低限勝つ必要がある。
チームのマシン開発やを自分のスタイルをあわせ、戦略を自分中心に進めるためだ。
だからスターが2人いると、結局、いい結果になることは少ない。
(セナとプロスト、最近のアロンソとハミルトンの例とかね)
ただ、もちろん2人が両方若手というのは、あまりに経験が浅すぎる。
チームやマシンそのものが成長することもなく、チームメイトから学ぶことも出来ない。
そういう意味で、今のトロ・ロッソの判断は間違いだと僕は思う。
今年ルーキーのブエミ(20歳)、更に新人アルグエルスアリ(18歳)ではチームが機能しない。
『チームがドライバーを育て、ドライバーがチームを育てる』 というスパイラルに乗れそうに無い。
レッドブルの弟分、ルーキー育成のためとはいえ、あまりに露骨すぎる。
さて、シューマッハのすごさを見たところで、今のドライバー陣に目を向けると、
この開発能力を含めた総合力で一番秀でているのは、フェルナンド・アロンソだと思う。
今の不調のルノーを引っ張っているのは間違いなくアロンソで、
アロンソが結果を残してくれるから、チームもモチベーションを保てる。
他のドライバーならこうはいかない。
例えば、シューマッハの後継者と言われたライコネンは基本的に開発にやる気がない。
「そこそこいいマシンつくってくれれば、後は勝手に走るから。」という感じだ。
速さだけならアロンソを凌ぐかもしれないが、これではチームを構成できない。
しかも本人が「F1を辞めてWRC(ラリーね)行こうかなー」って態度だから尚ひどい。
マッサはどちらかといえば気持ちで走るタイプなので開発には向いていないように見える。
ハミルトンは、個人的に好きじゃない。悪いね。
ベッテル、クビサはチームを構成するにはまだ若い。
だから、アロンソ。
F1は単純なカーレースで、一番早くゴールしたヤツが勝ちなんだけど、
優勝に至るに必要な要素の多さ・複雑さたるや、半端無い。
チームには技術的な問題だけでなく、経済的・政治的・国家的な問題も絡んでくる。
ドライバーは、ドライビングテクニック・肉体・精神力・スポンサー力、
サーキット外での駆け引きなんかも要求される。
何兆というお金、何万という人々が開発に携わり、
何千というパーツが1台のマシンを構成し、
ドライバーが300km/h超のスピードでマシンを操るにも関わらず、
たった、0.001秒 を争う世界。
それが、F1。
そして、その世界で勝ち続けたのが、ミハエル・シューマッハ。
あのアゴは、伊達じゃない。
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